
睡眠時無呼吸症候群とオンライン診療について
睡眠時無呼吸症候群とオンライン診療について
睡眠時無呼吸症候群について、一般的な説明はホームページ作成当初から別頁で記載させていただいています。
体重の増加に伴う、上気道=ノド周り、の閉塞で、特に睡眠中の脱力した時間帯に呼吸が弱くなる、ひどいと止まってしまう、という病気です。
しかし、日本の場合、それほど体重が大きくなくても無呼吸の方がたくさんおられます。これは骨格による影響もあるようです。
のどを支えるための筋肉は加齢とともに衰えてしまいますので、なかなか根本的に改善することが難しく、CPAP(持続陽圧呼吸療法)というようなマスクで圧力をかけてノドを押し広げる治療が必要になり、やめることができません。
最近では、ペースメーカーのような電極を埋め込んで、ノドの筋肉に刺激を送ってノドを支えるというような治療もあるようで、大学病院のようなところで処置してもらえるようです。
とはいえ、現時点では治療の主流はCPAPの装着になりますので、高血圧のお薬を飲み続けないといけないのと同様に、できるだけ長く継続できることが重要です。
睡眠中にしっかりと交感神経の興奮を抑えて、高血圧をはじめとした生活習慣病をコントロールし、最終目標として脳卒中や心筋梗塞などの病気の予防を目指しましょう。
CPAPの継続にあたっては、マスクとのフィット感の調整や各家庭に合った加湿など、導入当初は様々な工夫が必要になりますが、うまく生活の一部になった後は、定期的な医療機関でのチェックを欠かさないということが重要です。
働き盛りの方にも多い疾患のため、この定期的な通院という部分が継続性のハードルになることがよくありました。
しかし、私の出身でもあります京都大学の呼吸器内科での研究で、毎月のオンラインでの診療によって、毎月の直接の診察に劣らない治療の継続性が確認され、時間的な制約を減らすことも証明されました。
本邦では2018年にオンライン診療料が認められるようになり、その後のコロナ禍で更に規制緩和が進みました。睡眠時無呼吸症候群については、一定の条件下で初診からオンライン診療が認められるようになり、CPAPでの治療について、遠隔モニタリング加算が認められるようになっています。以前よりは、仕事を含めた日常生活の継続と、治療の継続が両立しやすくなっています。
当診療所も、今回の継承開業にあたりまして、オンライン診療ができるように準備しており、CPAPでの治療はもともと呼吸器内科医としての専門分野ですので、睡眠時無呼吸症候群でお困りの患者さんにうまく治療を継続していただけるよう、お手伝いできるのではないかと考えています。
すでにCPAP治療を開始されているけどうまく通院治療が続けられない方、などの治療継続のご相談にも対応させていただけるかもしれません。
また、診断には至ってないけれども、昼間の眠気が強かったり、集中力が持たないという症状があったり、ご家族に睡眠中に息が止まっていると言われたというような方は、自宅での検査で診断することもできるようになってきていますので、気になる症状、兆候がある方もいつでもご相談ください。
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